GISサービス構築までの流れ GISでは様々なことができるように世間ではうたわれているようですが、 その作業の流れはコンピュータを使って作業を行う以上、「入力」→「処理」→「出力」 という基本的な流れには変わりありません。各作業の工程でGISではどのような 作業を行うのか確認します。

 GISでは入力、処理、出力に加えてデータベース構築という大切な作業があるのではないか と思っています。ここでいうデータベースとは、様々なデータを統合的に取り扱うことので きる形に取りまとめた仕組みである、という意味合いで使います。また、なんらかの定量的 な結果を得るための処理を行うという意味で、処理というと言葉でなく「解析」という言葉 を使います。
 GISでは入力、データベース構築、解析、出力を作業の4つの柱として、処理を行っていきます。

 もちろん、データベースを構築するほど大量の、様々なデータソースを利用しない場合であれば 、入力、解析、出力という流れになるかもしれません。ただ単に現象を地図化したいのであれば、 入力からダイレクトに出力にという流れもあるでしょう。
 ここで大切なのは、上の図で流れの上流 にある作業をなくしては、それ以降の作業はできない、ということです。例えば、衛星画像とその 地域のベクター形式の地図を重ねあわせて表示したいとしましょう。まず衛星画像とベクター形式 の地図がコンピュータに入力されていることは当然ですが、衛星画像とベクター形式の地図が統合 的に利用できるように、それぞれのデータの投影法や座標系がわかっていなければ、重ねあわせは できません。
 通常販売されている衛星画像は座標系の与えられていないただの写真の状態ですから、 これに座標を与える作業(幾何補正といいます)をしなければ、 ベクターの地図と重ねることはで きません。 このような衛星画像とベクター地図が一緒に利用できるように、つまり統合的に取り扱 うことのできる形にする作業がここで言う(地図)データベース構築にあたります。データベース 構築を抜きにしてはこの場合、衛星画像とベクター地図を重ねあわせることはできないのです。

 また、GISと普通のITシステムの違いとして、稼動を始めるときに地図が必要となるという点が挙げら れます。当然ながら、地図がないと入力する情報を地図に関連付けられなくなり、 GISの効果が得 られなくなります。また、既に稼動しているデータベースシステムがある場合は、デジタル地図を 用意し、地物とデータベースを関連付けることでGISシステムを構築することができます。






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